坐骨神経痛 ツボ|お尻から足のしびれに使う5つの経穴と押す秒数・回数

公開日:2026年8月11日|最終更新:2026年8月11日|監修:院長 河野太朗(柔道整復師・施術歴14年以上)/経穴に関する記述は在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

【結論】坐骨神経痛に用いられてきた経穴は、お尻から足首まで、痛みやしびれが走る道筋に沿って並んでいます(環跳・承扶・委中・承山・崑崙)。しびれている場所そのものではなく、その手前で神経の通り道が硬くなっているところを押すのが基本です。【自分でできること】指の腹または握りこぶしで、5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻すを1か所5回、1日1〜2回。強さは「痛気持ちいい」まで。【受診の目安】両脚のしびれ、足首が上がらない、尿が出にくい/漏れる場合は押さずに、その日のうちに整形外科へ。

🚨 ツボ押しをせず、その日のうちに受診してほしいサイン

両脚にしびれが出ている
尿が出にくい/漏れる、肛門やお尻まわりの感覚が鈍い(馬尾症候群の疑い)
足首やつま先が上がらない、スリッパが脱げる、階段でつまずく(下垂足)
・しびれの範囲が日ごとに広がっている
発熱を伴う、がんの治療歴がある、体重が減っている

これらは経過をみてよい状態ではありません。整形外科(症状によっては救急外来)を受診してください。

当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して坐骨神経痛に対応しています。このページはご自身で押せる範囲に絞ってまとめました。

押し方の基本と「押す場所を間違えない」考え方

坐骨神経痛のツボ押しでは、しびれている場所そのものを押さないのが基本です。ふくらはぎや足先がしびれていても、原因になっているのは腰やお尻であることが多いためです。しびれた場所を強く押すと、かえって刺激が増えることがあります。

押し方は、指の腹または握りこぶしで、5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻すを1セットとし、1か所5回、1日1〜2回。強さは「痛気持ちいい」まで。押している最中にしびれが足先へ強く走る場合は、その時点で離してください。

場面別・5つの経穴と実数

坐骨神経の通り道に沿って、お尻から足首へ順に並べます。位置はWHO標準経穴部位(2008)に沿っています。すべて片側ずつ、症状のある側を行います。

① 座り続けて痛むとき/環跳(かんちょう・GB30)

位置:お尻の外側。横向きに寝て上の膝を軽く曲げたとき、お尻の外側にできるくぼみのあたりです。股関節の出っ張った骨(大転子)と、お尻の中央を結んだ線の外側3分の1が目安になります。

やり方:横向きに寝て、症状のある側を上にします。握りこぶしの平らな面を当て、体重ではなく腕の力でゆっくり沈めます。デスクワークや長時間の運転で悪化する方は、ここが硬いことが多い場所です。

実数:5秒押す→5秒保つ→5秒戻す ×5回1日1〜2回

② 立ち上がるときにお尻が突っ張るとき/承扶(しょうふ・BL36)

位置:お尻と太ももの境目にできる横じわの、ちょうど真ん中。

やり方:椅子に浅く座り、両手の中指を重ねて下から押し上げるように当てます。立ち上がる動作でお尻から太もも裏へ突っ張る方に向きます。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回1日1〜2回

③ 長く歩いたあとに/委中(いちゅう・BL40)

位置:膝の裏側、横じわの真ん中。左右に太い腱があり、そのあいだのくぼみです。

やり方:椅子に座り膝を軽く曲げ、両手の親指を重ねて当てます。膝裏は太い血管と神経が通るため、体重をかけたり強く押し込んだりしないでください。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回1日1〜2回

④ ふくらはぎが張る・つるとき/承山(しょうざん・BL57)

位置:ふくらはぎの中央、アキレス腱をたどって上がり、筋肉が左右に分かれる境目のくぼみ。つま先立ちをすると筋肉の割れ目が浮き出て分かりやすくなります。

やり方:床に座り、両手の親指を重ねて当てます。ふくらはぎのだるさ・つりを伴う方に用いられてきた場所です。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回1日1〜2回

⑤ 足先までしびれるとき/崑崙(こんろん・BL60)

位置:外くるぶしの一番高いところと、アキレス腱のあいだのくぼみ。

やり方:親指と人差し指でアキレス腱をはさむように当て、内側へ押します。靴下を下げるだけで届くため、外出先でも使えます。妊娠中は避けてください。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回1日1〜2回

一覧表

経穴(読み)場面位置押し方の実数1日の頻度
環跳(かんちょう/GB30)座り続けて痛むときお尻の外側・大転子とお尻の中央を結ぶ線の外側1/35秒押す→5秒保つ→5秒戻す ×5回1〜2回
承扶(しょうふ/BL36)立ち上がるとき突っ張るお尻と太ももの境の横じわの中央5秒→5秒→5秒 ×5回1〜2回
委中(いちゅう/BL40)長く歩いたあとに膝裏の横じわの中央5秒→5秒→5秒 ×5回1〜2回
承山(しょうざん/BL57)ふくらはぎが張る・つるふくらはぎ中央・筋肉が分かれる境目5秒→5秒→5秒 ×5回1〜2回
崑崙(こんろん/BL60)足先までしびれる外くるぶしとアキレス腱のあいだ5秒→5秒→5秒 ×5回1〜2回

押してはいけない場面・中止基準

坐骨神経痛は「神経の症状」です。筋肉のこりとは扱いが異なり、押してよい場面と押してはいけない場面がはっきり分かれます。

押してはいけない場面

すぐに中止する基準

中止基準に当てはまった場合は、様子をみずに整形外科の受診をご検討ください。

当院で多い「しびれが強まる場面」

当院に坐骨神経痛でご来院される方に伺うと、しびれや痛みが強まる場面として「車の運転を続けたあと」「床に座って立ち上がるとき」「洗い物などで立ち続けたあと」を挙げられる方が多くいらっしゃいます。いずれもお尻の深い部分に体重や圧が長くかかったあとという点が共通しています。

そのため当院では、しびれが出てから押すだけでなく、長く座る前後・立ち続ける前後に環跳を押しておくという使い方をご案内しています。表に場面のラベルを付けているのはこのためです。

研究で報告されていること

ツボへの刺激については、鍼を用いた研究が中心です。自分の指で押す指圧に限定した坐骨神経痛の質の高い研究は多くありません。ここでは鍼の研究を、限界も含めて紹介します。

📚 椎間板ヘルニアによる慢性坐骨神経痛への鍼(2024年・JAMA Internal Medicine)

中国の6つの病院で、椎間板ヘルニアによる慢性坐骨神経痛の患者を本物の鍼110名・偽の鍼110名にランダムに割り付け、4週間で10回の施術を行った試験です。解析対象216名(平均51.3歳)。4週の時点で脚の痛み(VAS)は本物の鍼で30.8mm低下、偽の鍼で14.9mm低下(群間差 −16.0/95%CI −21.3〜−10.6、P<.001)、日常生活の障害度(ODI)は13.0点低下 対 4.9点低下(群間差 −8.1、P<.001)でした。差は2週目から現れ、52週後まで続いていました。重篤な有害事象は起きていません。(Tu JF, Shi GX, Yan SY, et al. JAMA Internal Medicine. 2024;184(12):1417-1424. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39401008/

※上記は鍼治療についての研究であり、ご自身で押す指圧の効果を示したものではありません。当院の施術効果を保証・断定するものでもありません。感じ方には個人差があります。

押しても変わらないとき

2〜4週間続けても変化がない、しびれが増えているという場合は、原因の見立てから確かめる必要があります。坐骨神経痛の原因と対処は坐骨神経痛の原因と整骨院での対処法に、ストレッチは坐骨神経痛のストレッチ、鍼灸での対応は坐骨神経痛と鍼灸にまとめています。

よくあるご質問

しびれている場所を直接押してはいけないのはなぜですか?
しびれの出ている場所が原因とは限らないためです。坐骨神経痛では、腰やお尻で神経が刺激され、その先のふくらはぎや足に症状が出ることが多くあります。しびれている場所を強く押すと刺激が増すことがあるため、環跳や承扶など手前の通り道を押すのが基本です。
押していると足先まで電気が走ります。続けていいですか?
その時点で離してください。電気が走る感覚が強く出るのは、神経が刺激されているサインです。強さを半分に落とし、それでも出るようなら押すのをやめ、他の場所(承山・崑崙)に切り替えてください。しびれの範囲が広がる、力が入りにくいといった変化を伴う場合は、押すのを中止して整形外科を受診してください。
ヘルニアと診断されていますが押しても大丈夫ですか?
診断を受けている場合は、まず担当医の指示を優先してください。そのうえで、両脚のしびれ・排尿排便の異常・足首が上がらないといった症状がなければ、痛みの出ない範囲でのツボ押しは低リスクな方法とされています。押して悪化する場合は続けないでください。
どれくらい続ければいいですか?
1日1〜2回を2〜4週間が一つの目安です。椎間板ヘルニアによる慢性坐骨神経痛に対する鍼の試験では、4週間で10回の施術を行い、群間の差は2週目から現れました。ただしこれは鍼の研究で、ご自身で押す指圧の結果ではありません。変化がない、しびれが増える場合は続けずにご相談ください。
福岡市城南区で坐骨神経痛の相談はできますか?
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F)では、柔道整復師(国家資格)の院長と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して坐骨神経痛に対応しています。押す位置の確認だけでもご相談ください。西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。駐車場4台。Google★4.9(209件)。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9
※本ページの経穴・鍼灸に関する記述部分は、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。

そのしびれ、押す場所が合っているか確かめませんか

「押しても変わらない」「どこを押せばいいか分からない」——位置の確認だけでもご相談ください。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

出典・参考文献
  1. Tu JF, Shi GX, Yan SY, et al. "Acupuncture vs Sham Acupuncture for Chronic Sciatica From Herniated Disk: A Randomized Clinical Trial." JAMA Internal Medicine. 2024;184(12):1417-1424. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39401008/
  2. WHO Regional Office for the Western Pacific. "WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region." 2008. https://iris.who.int/handle/10665/353407

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴・鍼灸の記述:在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

最終更新日:2026年8月11日