生理痛 ツボ|三陰交など5つの経穴の位置と押し方・温め方の使い分け

公開日:2026年8月12日|最終更新:2026年8月12日|監修:院長 河野太朗(柔道整復師・施術歴14年以上)/経穴に関する記述は在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

【結論】生理痛のセルフケアでは、「押す場所」と「温める場所」を分けて考えるのが要点です。おへその下(関元・気海)は指で押すより温めるほうが向く場所、足元(三陰交・血海・太衝)は押して使う場所です。【自分でできること】足元の3か所は、指の腹で5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻すを1か所5回、1日1〜2回。お腹は温めたタオルや使い捨てカイロで15〜20分。【受診の目安】妊娠の可能性がある方は押さないでください。また、痛みが年々強くなる・鎮痛薬が効かない・経血量が急に増えた場合は婦人科へご相談ください。

🚨 ツボ押しの前に確認してください

妊娠の可能性がある方・妊娠中の方は、三陰交をはじめ本ページのツボ押しを行わないでください(妊娠中に避けるとされてきた経穴が含まれます)
いつもと違う激しい痛み大量の出血発熱を伴う下腹部痛
・年々痛みが強くなる、鎮痛薬が効きにくくなってきた
・生理以外のときも下腹部が痛む、性交時に痛む

これらは子宮内膜症・子宮筋腫など、背景に別の原因がある場合のサインとされています。セルフケアで様子をみるより先に、婦人科の受診をご検討ください。

当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携しています。このページは、ご自宅でご自身でできる範囲に絞ってまとめました。

押す場所と温める場所を分ける理由

生理痛のときのお腹は、押されることを不快に感じやすい状態です。下腹部(関元・気海)は指で強く押さず、温めて使うほうが続けやすく、途中でつらくなりにくい方法です。一方、足元の三陰交・血海・太衝は座ったまま押せて、生理中でも姿勢を変えずに行えます

押し方は、指の腹で垂直に、5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻すを1セット、1か所5回、1日1〜2回。強さは「痛気持ちいい」まで。爪を立てず、息を止めずに行ってください。

場面別・5つの経穴と実数

生理の周期のどこにいるかで、使う場所が変わります。位置はWHO標準経穴部位(2008)に沿っています。

① 冷えを感じるとき/三陰交(さんいんこう・SP6)

位置:内くるぶしの一番高いところに小指を当て、指4本分(人差し指の上端)上がったところ。すねの骨のすぐ後ろ側のふちです。

やり方:座って足を組み、反対の手の親指を当てます。足首から膝に向かう向きに、やや押し上げるように。冷え対策として古くから用いられてきた経穴です。

実数:5秒押す→5秒保つ→5秒戻す ×5回(左右)/1日1〜2回妊娠の可能性がある方は行わないでください。

② 立ち仕事のあと下腹が重いとき/血海(けっかい・SP10)

位置:膝のお皿の内側の上端から、指3本分上がった太ももの内側。膝を伸ばすと力の入る、盛り上がった筋肉の上です。

やり方:椅子に座って膝を軽く曲げ、親指を当てます。立ち仕事や長時間の外出のあとに下腹が重だるいときに向きます。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)/1日1〜2回

③ 生理前のイライラ・張りがあるとき/太衝(たいしょう・LR3)

位置:足の甲。親指と人差し指のあいだを足首側へたどり、2本の骨が合流して止まるくぼみ。

やり方:座って足を手前に引き寄せ、親指を当てて足首の方向へ押し込みます。生理前の張りやいら立ちが強い時期に用いられてきた場所です。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)/1日1〜2回

④ 下腹部が重く痛むとき/関元(かんげん・CV4)——温めて使う

位置:おへそから指4本分(人差し指の上端)下がった、体の中心線上。

やり方:指で押さず、温めます。蒸しタオルや低温の使い捨てカイロを衣類の上から当ててください。手のひらを重ねて置くだけでもかまいません。

実数:温め15〜20分1日2〜3回まで。カイロは肌に直接当てない(低温やけどの防止)。

⑤ 生理初日〜2日目に/気海(きかい・CV6)——温めて使う

位置:おへそから指2本分下がった、体の中心線上。関元より上です。

やり方:関元と同様に温めます。関元と気海は近いため、おへその下を手のひら1枚分まとめて温めると考えると迷いません。

実数:温め15〜20分1日2〜3回まで

お腹の温め方(時間・温度の目安)

温めるときは、「熱い」ではなく「じんわり温かい」が目安です。心地よい程度の温度で15〜20分、1日2〜3回まで。以下は避けてください。

一覧表

経穴(読み)使い方場面位置実数
三陰交(さんいんこう/SP6)押す冷えを感じるとき内くるぶしから指4本分上・すねの骨の後ろ側5秒押す→5秒保つ→5秒戻す×5回/1日1〜2回
血海(けっかい/SP10)押す立ち仕事のあと下腹が重い膝のお皿の内側上端から指3本分上5秒→5秒→5秒×5回/1日1〜2回
太衝(たいしょう/LR3)押す生理前のイライラ・張り足の甲・親指と人差し指の骨が合流するくぼみ5秒→5秒→5秒×5回/1日1〜2回
関元(かんげん/CV4)温める下腹部が重く痛むときおへそから指4本分下・体の中心線上15〜20分/1日2〜3回まで
気海(きかい/CV6)温める生理初日〜2日目におへそから指2本分下・体の中心線上15〜20分/1日2〜3回まで

押してはいけない場面・中止基準

押してはいけない場面

すぐに中止する基準

中止基準に当てはまった場合や、月経のたびに寝込むほどの痛みが続く場合は、婦人科へご相談ください。

当院で多い「生理痛が重くなる時期」

当院にご来院される方に伺うと、生理痛が重くなりやすい時期として「急に冷え込んだ日が続いたあと」「夏に冷房の効いた場所で長時間過ごしたあと」「睡眠が短い日が続いたあと」を挙げられる方が多くいらっしゃいます。共通しているのは体が冷えた状態が数日続いたあとという点です。

そのため当院では、痛みが出てから対処するだけでなく、生理が始まる数日前から足元(三陰交)を押し、お腹を温めておくという使い方をご案内しています。表で「押す/温める」を分けているのはこのためです。

研究で報告されていること

📚 指圧のメタ解析(2025年・23件のRCT)

月経困難症(生理痛)に対する指圧のランダム化比較試験23件を集め、うち20件を統合したメタ解析です。指圧は偽の指圧(プラセボ)より痛みが軽い(平均差 −1.58/95%CI −1.96〜−1.20)、内服薬より軽い(−1.11/95%CI −1.79〜−0.43)、通常のケアより軽い(−1.29/95%CI −1.77〜−0.80)と報告されました。有害事象の報告は2件のみで、いずれも軽微でした。ただし著者らは「現時点のエビデンスの質は低い」と明記し、より厳密で規模の大きい研究が必要としています。(Yu X, Liu B, Li J, Gao Y. Complementary Therapies in Medicine. 2025;95:103272. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41138782/

📚 薬を使わない方法どうしの比較(2024年・BMJ Evidence-Based Medicine)

薬を使わない8つの方法を比べたネットワークメタ解析(33研究)です。運動・漢方・鍼・アロマ・TENS・局所の温熱・指圧・ヨガのすべてが、プラセボまたは無治療より痛みを減らしたと報告されています。なかでも運動(−3.20)・鍼(−2.90)・局所の温熱(−2.97)が痛みの強さ(VAS)を下げる可能性が高いと示されました。本ページで「お腹は温めて使う」としている根拠のひとつです。著者らは、より大規模で質の高い研究が必要とも述べています。(Li X, Hao X, Liu JH, Huang JP. BMJ Evidence-Based Medicine. 2024;29(3):162-170. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38242565/

※上記は一般的な情報として紹介するもので、当院の施術効果を保証・断定するものではありません。感じ方には個人差があります。

セルフケアで足りないとき

毎月寝込む、鎮痛薬の量が増えている、年々つらくなっているという場合は、婦人科での検査を優先してください。そのうえで、冷えや骨盤まわりの緊張が関係している場合には鍼灸という選択肢もあります。当院の鍼灸については鍼灸のページを、女性の体調に関するコラムは更年期のコラムもあわせてご覧ください。

よくあるご質問

生理痛のツボは生理が始まってから押すのですか?
始まってからでも押せますが、冷えを伴う方は生理が始まる数日前から足元(三陰交)を押しはじめ、お腹を温めておく使い方をご案内しています。痛みが出てからだけでなく、周期に合わせて準備する考え方です。強く押す必要はありません。
三陰交は妊娠中に押してはいけないと聞きました。本当ですか?
妊娠中に避けるとされてきた経穴として、三陰交は古くから挙げられてきました。当院では安全を優先し、妊娠の可能性がある方・妊娠中の方には本ページのツボ押しを行わないようご案内しています。妊娠中のセルフケアは、産婦人科または鍼灸師にご相談ください。
お腹のツボは押さずに温めるとありますが、押してはいけないのですか?
禁止ではありませんが、生理中の下腹部は押されることを不快に感じやすい状態です。関元・気海のあたりは温めるほうが続けやすく、途中でつらくなりにくい方法です。薬を使わない方法を比べた研究でも、局所の温熱は痛みを下げる可能性が高い方法のひとつに挙げられています。
どのくらい温めればいいですか?低温やけどが心配です。
「熱い」ではなく「じんわり温かい」が目安で、15〜20分・1日2〜3回までにしてください。使い捨てカイロは肌に直接当てず衣類の上から使い、就寝中に貼ったままにしないでください。温めた場所が赤くまだらになった場合は低温やけどのサインなので、すぐに中止してください。
福岡市城南区で生理痛の鍼灸の相談はできますか?
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F)では、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が対応しています。ただし、毎月寝込むほどの痛みや、年々強くなる痛みは婦人科での検査を優先してください。西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。駐車場4台。Google★4.9(209件)。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9
※本ページの経穴・鍼灸に関する記述部分は、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。

毎月のつらさ、一人で抱えないでください

「セルフケアを試したが変わらない」「冷えが強い」——押す位置の確認だけでもご相談ください。まず婦人科での検査をおすすめする場合もあります。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

出典・参考文献
  1. Yu X, Liu B, Li J, Gao Y. "Efficacy and safety of acupressure for primary dysmenorrhea: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials." Complementary Therapies in Medicine. 2025;95:103272. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41138782/
  2. Li X, Hao X, Liu JH, Huang JP. "Efficacy of non-pharmacological interventions for primary dysmenorrhoea: a systematic review and Bayesian network meta-analysis." BMJ Evidence-Based Medicine. 2024;29(3):162-170. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38242565/
  3. WHO Regional Office for the Western Pacific. "WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region." 2008. https://iris.who.int/handle/10665/353407

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴・鍼灸の記述:在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

最終更新日:2026年8月12日