首こり ツボ|風池・天柱など5つの経穴と押し方・頭痛との関係

公開日:2026年8月14日|最終更新:2026年8月14日|監修:院長 河野太朗(柔道整復師・施術歴14年以上)/経穴に関する記述は在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

【結論】首こりに用いられてきた経穴は、後頭部のくぼみ(風池・天柱・完骨)と肩の高い位置(肩井)、手の小指側(後渓)の5つを、場面ごとに使い分けます。【自分でできること】風池・天柱は親指で5秒押す→保つ→戻すを1か所5回、完骨は神経・血管が近いためより弱い力で3秒×3回にとどめます。肩井は5秒×5回、後渓は首や肩に触れずどこでも行えます。1日1〜3回。【受診の目安】今までに経験のない突然の激しい頭痛・発熱を伴う首の硬直・手のしびれや力の入りにくさ・普段と明らかに様子の違う頭痛がある場合は、ツボ押しより先に脳神経外科または内科を受診してください。

🚨 ツボ押しより先に医療機関を受診してほしいサイン

今までに経験したことがない突然の激しい頭痛(一瞬でピークに達する「雷鳴頭痛」)
発熱を伴い、首を前に曲げると強く痛む・曲げにくい(発熱+項部硬直)
手にしびれや力の入りにくさを伴う首こり
普段の頭痛と明らかに様子が違う頭痛(強さ・持続時間・伴う症状がいつもと違う)

これらはツボ押しで様子をみてよい状態ではありません。脳神経外科または内科を優先して受診してください。

当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して首こりに対応しています。デスクワークの後に後頭部が重い・気づくと肩が上がっている・首こりのあと頭痛が出る——そうしたお声を多くいただくため、このページはご自身で押せる範囲に絞ってまとめました。

首こりのツボはどう押す?——強さ・秒数・回数の基本

首こりの経穴は、後頭部の骨のきわ(風池・天柱・完骨)肩の高い位置(肩井)首や肩には触れない手の経穴(後渓)に分かれます。後頭部と肩井は「痛気持ちいい」と感じるところまで指の腹で垂直に押しますが、後頭部の骨の際は神経や血管が近いため、爪を立てず、頭を強く後ろに反らしながら押さないでください。

押す時間帯は入浴後や、デスクワークの合間で首まわりが温まっているときが向きます。発熱時・飲酒後・首を痛めた直後は避けてください。

場面別・5つの経穴と押し方の実数

「今どんな場面で首がこるか」で使いやすい経穴が変わります。位置はWHO標準経穴部位(2008)に沿っています。

① デスクワークの合間に/風池(ふうち・GB20)

位置:後頭骨の下、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間のくぼみです。後頭部の髪の生え際に沿って耳の後ろから中央に向かって指を動かすと、骨の下端で指が止まる左右2か所のくぼみに触れます。

やり方:両手の親指を左右の風池に当て、残りの指で頭を支えます。やや斜め上(鼻先に向かう方向)にゆっくり圧をかけます。

実数:5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻す ×5回1日2〜3回(デスクワークの合間に)。

② 目が疲れて後頭部が重いときに/天柱(てんちゅう・BL10)

位置:後頭部の髪の生え際、僧帽筋の外縁にあるくぼみです。風池よりやや内側・やや下、首の中心を通る太い筋のすぐ外側が目安です。

やり方:両手の親指を左右の天柱に当て、頭をわずかに後ろに預けるように自重で圧をかけます。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回1日1〜2回(夕方、目の疲れとあわせて)。

③ 朝、首が回しにくいときに/完骨(かんこつ・GB12)

位置:耳の後ろにある出っ張った骨(乳様突起)の、後ろ下方のくぼみです。耳たぶの後ろを指でなぞり、骨の丸みが終わる位置の斜め下に触れます。

やり方:人差し指か中指の腹を当て、軽い力で押します。骨のきわで神経・血管が近いため、風池・天柱より弱い力で行ってください。

実数:3秒かけて押す→3秒保つ→3秒かけて離す ×3回(左右)/1日1回(起床後)。

④ 入浴後、肩から首の張りに/肩井(けんせい・GB21)

位置:首の付け根(第7頸椎棘突起)と肩先(肩峰)を結んだ線のちょうど中央、肩の一番高いところです。

やり方:反対側の手の中指を肩井に当て、真下に向かってゆっくり圧をかけます。強く押しすぎるとめまいが出ることがあるため、様子をみながら力加減してください。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)/1日1〜2回(入浴後)。

⑤ 会議中・電車の中で首に触れずに/後渓(こうけい・SI3)

位置:手の小指側、軽く握りこぶしを作ったときにできる手のひらのしわの端、第5中手骨の頭のすぐ手前です。

やり方:反対の手の親指の腹を当て、こぶしを握った状態で骨に向かって垂直に押します。首や肩に手を伸ばせない場面でも使えます。

実数:3秒→3秒→3秒 ×5回(左右)/1日2〜3回(デスクで・移動中に)。

一覧表:位置・秒数・回数・頻度

経穴(読み)場面位置押し方の実数1日の頻度
風池(ふうち/GB20)デスクワークの合間に後頭骨の下、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間のくぼみ5秒押す→5秒保つ→5秒戻す ×5回2〜3回
天柱(てんちゅう/BL10)目が疲れ後頭部が重いときに後頭部の生え際、僧帽筋の外縁5秒→5秒→5秒 ×5回1〜2回
完骨(かんこつ/GB12)朝、首が回しにくいときに乳様突起の後下方のくぼみ3秒→3秒→3秒 ×3回(左右・軽い力)1回(起床後)
肩井(けんせい/GB21)入浴後、肩から首の張りに第7頸椎棘突起と肩峰を結ぶ線の中点5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)1〜2回
後渓(こうけい/SI3)会議中・移動中に首へ触れず握りこぶしのしわの端、第5中手骨頭の手前3秒→3秒→3秒 ×5回(左右)2〜3回

押してはいけない場面と中止基準

ツボ押しは低リスクな方法ですが、首は神経や血管が集まる部位です。次に当てはまる場合は、ツボ押しを始める前に医療機関の受診を優先してください。

押してはいけない場面

すぐに中止する基準

中止基準に当てはまった場合、様子をみるのではなく医療機関の受診をご検討ください。

首こりと頭痛の関係——緊張型頭痛が起こる仕組み

首こりが続くと、後頭部から頭にかけて頭痛が出ることがあります。これは首の付け根にある「後頭下筋群」という4つの小さな筋肉が過緊張し、その近くを通る神経が刺激されやすくなるためと考えられています。この仕組みで起こる頭痛は緊張型頭痛の一因とされ、首こりのケアがそのまま頭痛のケアにつながることがあります。

後頭下筋群は、大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋の4つの筋肉からなり、後頭骨の下から第1・第2頸椎にかけて位置します。頭を細かく動かし、視線を安定させる役割を持つため、パソコンやスマートフォンを見続ける姿勢で持続的に働き続け、疲労しやすい部位です。

この筋群の間を、第2頸神経の枝である大後頭神経が通り抜け、下頭斜筋の下縁を回り込んで筋群の間を上行し、僧帽筋の付着部付近を貫いて頭皮に向かいます。後頭下筋群が硬くなると、この通り道で神経が圧迫・刺激されやすくなり、後頭部から頭頂にかけての締め付けるような痛みにつながると考えられています。

本ページで紹介した5つの経穴のうち、風池・天柱・完骨の3つは後頭下筋群のすぐ上や際に近い位置にあるため、首こりだけでなくこのタイプの頭痛のセルフケアとしても用いられてきました。頭痛そのものへの経穴を詳しく知りたい方は、頭痛 ツボのページもあわせてご覧ください。ただし、この仕組みで説明できるのは頭痛の一因にすぎません。冒頭に挙げた受診の目安に当てはまる頭痛は、この仕組みによるものと自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

当院で首こりの方に伺って多い場面

当院に首こりでご来院される方にお話を伺うと、痛みや張りを強く感じる場面として「長時間のパソコン作業のあと」「スマートフォンを下向きで見続けたあと」「気づいたら肩がすくんでいたあと」を挙げられる方が多くいらっしゃいます。触診では、後頭部の生え際(風池・天柱・完骨のあたり)が他の部位より硬く、圧痛が強く出ている方が多い印象です。

そのため当院では、痛くなってから押すだけでなく、作業を区切るタイミングで先に押しておく使い方をご案内しています。上の一覧表に場面のラベルを付けているのはこのためです。

研究で報告されていること

ここで紹介する研究は、鍼灸師が鍼(はり)を用いて行った臨床試験を対象としたもので、ご自身で指で押す「指圧(ツボ押し)」そのものを対象にした研究ではありません。

📚 慢性首こり・頸部痛への鍼治療、716人規模のRCT(2024年)

中国4施設で行われた24週間の多施設ランダム化比較試験です。慢性の首こり・頸部痛がある716人を、感度の高い圧痛点に鍼をする群・感度の低い圧痛点に鍼をする群・偽の経穴に鍼をする群・待機群の4群に分け、4週間で計10回の施術を行いました。痛みのスケール(0〜100点)は、感度の高い圧痛点への鍼治療群でベースラインから4週時点で平均12.16点低下し、偽の経穴群(同6.11点)・待機群(同2.24点)より改善が大きく、この差は24週後の追跡でも維持されていました。ただし論文では、改善の大きさが臨床的に意味のある最小差(10点)には届いていない点も正直に述べられています。(Zhao L, et al. Annals of Internal Medicine. 2024;177(10):1330-1338. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39222507/

📚 日本の「肩こり」への鍼治療、400人規模の二重盲検試験(2023年)

日本の慢性的な首肩のこり(肩こり)を持つ400人を対象に、皮膚に刺入する鍼・皮膚に触れるだけの鍼・鍼を刺す動作のみ行い触れない群・無治療群の4群を比較した単施設の二重盲検試験です。鍼の儀式(施術動作)を受けた3群はいずれも、施術直後・24時間後とも無治療群より有意に首肩のこりが改善しました(p=0.01)。皮膚に刺入する鍼は、24時間後の時点で触れないだけの群より優れていましたが、刺入する鍼と触れるだけの鍼の間、触れるだけの鍼と触れない群の間には有意差がありませんでした。(Takakura N, et al. Medicina (Kaunas). 2023;59(12):2141. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38138244/

※上記は一般的な情報として紹介するもので、当院の施術効果を保証・断定するものではありません。感じ方には個人差があります。

押しても変わらないとき

2〜4週間続けても変化がない場合、原因が筋肉の緊張だけではない可能性があります。首・肩の症状全体の見分け方は首・肩の痛み 総合ガイドに、場面別のストレッチは首こりストレッチに、頭痛そのものへのケアは頭痛 ツボに、肩まわりのツボは肩こり ツボにまとめています。鍼灸での対応にご興味のある方は鍼灸ページもご覧ください。

よくあるご質問

首こりのツボは強く押すほど効果がありますか?
強く押すほど良いわけではありません。特に完骨・風池は後頭部の骨のきわ、肩井は肩の高い位置にあり、いずれも神経や血管の近くを通ります。「痛気持ちいい」と感じる強さまでにとどめ、指先だけでなく手のひら全体で頭や肩を支えながら圧をかけると安全です。強い力で長く押し続けるより、決めた秒数とリズムを守ることを優先してください。
風池と天柱、どちらを先に押せばいいですか?
決まった順番はありません。外側にある風池のほうが指で見つけやすいため、まず風池で後頭部のくぼみの感覚をつかんでから、そのやや内側・下にある天柱を探すと位置が分かりやすくなります。風池は後頭骨の下、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間のくぼみ、天柱は僧帽筋の外縁が目安です。
首こりのツボ押しで、頭痛も楽になりますか?
首こりに伴う緊張型頭痛は、後頭下筋群という後頭部の深い筋肉の過緊張が背景にあることが少なくありません。風池・天柱・完骨はこの筋群の上や際に近い位置にあるため、首こりのケアがそのまま頭痛のケアにつながる場合があります。ただし、突然の激しい頭痛や発熱を伴う頭痛はツボ押しの対象ではなく、先に医療機関を受診してください。詳しくは本文の「頭痛との関係」の章をご覧ください。
後渓は首をまったく触らずに使えるのですか?
はい。後渓は手の小指側にある経穴で、首や肩には触れずに使えます。会議中や電車の中など首に手を伸ばしにくい場面でのすきま時間のセルフケアとして使いやすい点が特徴です。ほかの4つの経穴と組み合わせて、場面に応じて使い分けてください。
福岡市城南区で首こり・ツボの相談はできますか?
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F)では、柔道整復師(国家資格)の院長と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して首こりに対応しています。押す位置の確認だけでもご相談ください。西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。駐車場4台。Google★4.9(209件)。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9
※本ページの経穴・鍼灸に関する記述部分は、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。

首こりのツボ、押す位置が合っているか確かめませんか

「押してもピンとこない」「頭痛も一緒にあって不安」——位置の確認だけでもご相談ください。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

出典・参考文献
  1. Zhao L, Sun M, Yin Z, Cui J, Wang R, Ji L, Geng G, Chen J, Cai D, Liu Q, Zheng H, Liang F. "Long-Term Effects of Individualized Acupuncture for Chronic Neck Pain: A Randomized Controlled Trial." Annals of Internal Medicine. 2024;177(10):1330-1338. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39222507/
  2. Takakura N, Takayama M, Kawase A, Kaptchuk TJ, Kong J, Vangel M, Yajima H. "Acupuncture for Japanese Katakori (Chronic Neck Pain): A Randomized Placebo-Controlled Double-Blind Study." Medicina (Kaunas). 2023;59(12):2141. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38138244/
  3. WHO Regional Office for the Western Pacific. "WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region." 2008. https://iris.who.int/handle/10665/353407

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴・鍼灸の記述:在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

最終更新日:2026年8月14日

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