めまい ツボ|ふわふわ・ぐるぐるを楽にする5つのツボと押し方・受診すべきサイン|長丘はりきゅう整骨院
以下のうち1つでも当てはまる場合は、ツボを押す前にただちに救急車(119)を呼んでください。脳梗塞・脳出血・脳幹梗塞は発症から数時間以内の治療開始が予後を大きく左右します。
- ろれつが回らない・言葉が出てこない・呂律がおかしい
- 物が二重に見える(複視)・片目が見えにくい
- 手足の麻痺・片側のしびれ・力が入らない
- 今までに経験したことのない激しい頭痛(突然の雷鳴様頭痛)
- 意識が遠のく・気を失いそうになる
- 突然の片耳の難聴・音が聞こえにくくなった
- 耳鳴りが急に始まった・耳が詰まった感じがする
- 上記と同時にめまいが出た——突発性難聴・メニエール病発作の可能性
突発性難聴は発症から48〜72時間以内の治療開始が聴力回復の鍵とされています。「様子を見る」「ツボ押しで対処する」ことは避け、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。
【このページについて】上記の緊急サインがなく、ふわふわとした浮動性めまい・首こりや自律神経の乱れと関連するめまいが続いている方向けのセルフケア情報です。東洋医学では古くからめまいに用いられてきたツボを5つ、位置の探し方・押し方・秒数・回数・頻度の実数つきで解説します。
ツボ押しは医療行為ではなく、緊急性を除外したうえでの補助的なセルフケアです。「2週間続けても変化がない」「症状が悪化する」場合は整骨院・耳鼻咽喉科・神経内科を受診することをお勧めします。
Alessandriniらの二重盲検ランダム化試験(J Altern Complement Med, 2012)では、急性めまい患者において内関(P6)への指圧が悪心・嘔吐などの神経・自律神経症状を改善させたと報告されています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22950829/)。また、Houらの系統的レビュー・メタ解析(Evid Based Complement Alternat Med, 2017)では頸性めまいへの鍼治療が有望な可能性を示したものの、エビデンスの質は低〜非常に低いとされており、大規模な高品質試験が必要と結論づけています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28659989/)。現時点ではツボ押し・鍼のめまいへの効果は「伝統的に用いられてきた」レベルであり、確立したエビデンスが限られることをご理解ください。
ぐるぐる型とふわふわ型——ツボが向くめまいはどちら?
めまいは大きく「回転性(ぐるぐる型)」と「浮動性(ふわふわ型)」に分けられます。原因と対処法が異なるため、まず自分のめまいがどちらに近いかを確認してください。
回転性めまい(ぐるぐる型)——主に耳・前庭の問題
- 「部屋が回っている」「自分がぐるぐる回っている」感覚
- 頭を動かすと誘発される(良性発作性頭位めまい症=BPPV)
- 吐き気・嘔吐を伴うことが多い
- 主な原因:耳石の移動(BPPV)・前庭神経炎・メニエール病
- → 耳石置換法(エプリー法等の頭位療法)が第一選択。ツボは補助的位置づけ。
浮動性めまい(ふわふわ型)——主に自律神経・血流・頸椎の問題
- 「地に足がつかない」「雲の上を歩くような」感覚
- 長時間の同じ姿勢・疲労・気圧変化で悪化することが多い
- 首・肩こりを同時に抱えている方に多い
- 主な原因:自律神経の乱れ・頸椎由来(頸性めまい)・血圧変動・貧血・更年期
- → このページで紹介するツボ押しが向くのは主にこちらです。
5つのツボ——位置・押し方・実数
内関は「心包経」に属し、東洋医学では吐き気・動悸・不安感・めまいに伝統的に用いられてきたツボです。WHO標準経穴でもPC6として定められており、手術後の吐き気への指圧研究でも使用される経穴です。反対の親指の先(爪は当てず腹を使う)で垂直方向にゆっくり押し込みます。
- 座った状態で腕を手のひらが上を向くように置く。
- 反対の親指の腹をツボに当て、骨に向かって垂直にゆっくり押す。
- 「じわっと響く感覚(得気)」が出る強さを目安とし、「痛い」と感じる手前で止める。
- ゆっくり離す。反対側も同様に行う。
翳風は「三焦経」に属し、東洋医学では内耳・耳まわりの血流、耳鳴り、耳の詰まり感、めまい・頭重感に伝統的に用いられてきたツボです。耳の直後ろにあることから、内耳への血流改善をめざす文脈で鍼灸師がよく選穴する経穴のひとつです。人差し指または中指の腹をツボに当て、下顎骨の後縁に向かってやさしく押します。
- 座った姿勢で、両手の人差し指か中指の腹を左右の翳風に同時に当てる。
- 少し顎を引き、指の腹で下顎骨方向に向かってゆっくり押す。
- 「じわっとした圧迫感」が感じられる強さで止める。
- ゆっくり離す。
百会は「督脈」に属し、東洋医学では気と血が集まるとされる重要なツボで、ふわふわとした浮動性めまい・頭重感・気力の低下に伝統的に用いられてきました。頭頂部への適度な刺激が気血の循環を整えることをめざすとされています。中指の腹を真下に向けてゆっくり押します。
- 座った状態で頭を軽く前傾させ、両手の中指を重ねて(右の上に左、または逆)百会に当てる。
- 頭骨に向かって垂直にゆっくり押し込む。
- 「頭が温かくなる・軽くなる」ような感覚が出る強さを目安とする。
- ゆっくり離す。
風池は「胆経」に属し、東洋医学では頸性めまい・首こり・後頭痛・目の疲れに伝統的に用いられてきたツボです。Houらの系統的レビュー(2017)でも、頸性めまいへの鍼治療の検討において風池をはじめとする後頸部の経穴が多く選穴されています。首の中心(頭蓋骨)に向かって親指でやさしく押します。
- 座った状態で、両手を後頭部に回して親指の腹を左右の風池に当てる。
- 後頭骨の内側に向かって(斜め上方向)ゆっくり押す。
- 「首全体がじんわり温かくなる・後頭部がほぐれる」感覚を目安にする。
- ゆっくり離す。
完骨は「胆経」に属し、東洋医学では頸性めまい・後頭部の張り・頭痛・耳鳴りに伝統的に用いられてきたツボです。風池(ツボ④)と対にして使われることが多く、後頸部から後頭部にかけての筋肉のこわばりを和らげ、頭部への血流改善をめざす目的で選穴されます。人差し指か中指の腹でやさしく押します。
- 座った状態で両手の人差し指か中指を左右の完骨にあてる。
- 乳様突起の骨に沿わせるようにやさしく押す。
- 「耳まわり・後頭部にじんわり広がる感覚」が出る強さを目安にする。
- ゆっくり離す。
やってはいけないこと——中止基準と注意点
- ツボを押した直後にめまいが激しくなった・吐き気が増した 強すぎる刺激・刺激量が合っていない可能性。その日は中止し、翌日以降に強さを下げて再開するか、整骨院・鍼灸院で適切な刺激量の指導を受けてください。
- 「ろれつが回らない」「手が動かない」など脳卒中サインが出た ツボを押すことを直ちに中止し、救急(119番)を呼んでください。
- 2週間以上毎日続けても症状が変わらない・悪化している めまいの原因の精査が必要です。耳鼻咽喉科・神経内科・整骨院を受診してください。
やってはいけない動作・注意点
- めまい発作の最中に立ったまま・歩きながらツボを押す 転倒・転落のリスクがあります。必ず座るか横になった状態で行ってください。
- 「痛いくらい押した方が効く」と思い込んで強く押す ツボ押しは「じわっとした心地よい圧迫感(得気)」が目安です。痛みを我慢して押すと神経・血管を損傷するリスクがあります。
- 皮膚の傷・炎症・湿疹がある箇所を押す 皮膚トラブルがある部位は避けてください。
- 車の運転前・高所作業前などに行う ツボ刺激後に一時的な眠気・ぼんやり感が出る場合があります。危険な作業の直前は避けてください。
- 妊娠中に合谷・三陰交など禁忌とされるツボを自己流で押す このページのツボ5種(内関・翳風・百会・風池・完骨)は一般的な禁忌リストには含まれませんが、妊娠中はすべてのツボ刺激について産婦人科主治医または当院に在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)に相談したうえで行ってください。
めまいの原因(BPPV・メニエール病・頸性めまい・自律神経との関係)や、整骨院・鍼灸での施術内容については、こちらの詳しい解説ページをご覧ください。
めまいの原因と整骨院・鍼灸での対応を詳しく見る →1. Alessandrini M, Napolitano B, Micarelli A, de Padova A, Bruno E. "P6 acupressure effectiveness on acute vertiginous patients: a double blind randomized study." J Altern Complement Med. 2012;18(12):1121-1126.
PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22950829/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Marco Alessandrini 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み)
2. Hou Z, Xu S, Li Q, Cai L, Wu W, Yu H, Chen H. "The Efficacy of Acupuncture for the Treatment of Cervical Vertigo: A Systematic Review and Meta-Analysis." Evid Based Complement Alternat Med. 2017;2017:7597363.
PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28659989/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Zhuanzhuan Hou 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み。論文内でエビデンスの質を「低〜非常に低い」と明記。このページでも同様に記述。)
最終更新日:2026年8月7日