膝の痛み ツボ|内側・お皿まわりの5つの経穴と押す秒数・回数

公開日:2026年8月13日|最終更新:2026年8月13日|監修:院長 河野太朗(柔道整復師・施術歴14年以上)/経穴に関する記述は在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

【結論】膝の内側やお皿まわりの痛みに用いられてきた経穴は、お皿を挟む2点(内膝眼・外膝眼)だけでなく、太もも内側の血海、すねの陰陵泉・足三里まで含めて場面ごとに使い分けます。【自分でできること】お皿まわりは軽く触れる程度、太もも・すね(血海・陰陵泉・足三里)は指の腹で5秒押す→5秒保つ→5秒戻すを1か所5回。頻度は血海が1日1〜2回、陰陵泉・足三里は1日1回が目安です。【受診の目安】膝が腫れて熱をもつ・水がたまる感じがある・じっとしていても夜間に痛む・変形が進んでいる・けがのあとに膝がガクッと崩れる不安定感がある場合は、ツボ押しより先に整形外科へ。

🚨 ツボ押しより先に整形外科を受診してほしいサイン

膝が腫れて熱をもっている(触ると周囲より明らかに温かい)
膝に水がたまっている感じがする(パンパンに張って曲げ伸ばしがしにくい)
安静にしていても、特に夜間に痛む
O脚などの変形が進んでいる、以前より正座や階段がつらくなってきている
転倒やスポーツでのけがのあとに膝がガクッと崩れる・不安定な感じがある

これらはツボ押しで様子をみてよい状態ではありません。整形外科を受診し、必要な検査を受けてください。

当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して膝の痛みに対応しています。正座がつらい・階段の下りで膝の内側が痛む・立ち上がる瞬間に痛む——そうしたお声を多くいただくため、このページはご自身で押せる範囲に絞ってまとめました。

膝のツボはどう押す?——強さ・秒数・回数の基本

膝まわりの経穴は、お皿のすぐ両脇(関節のすきま)と、太もも・すねの筋肉の上とで押し方の強さを分けます。お皿の両脇は指の腹で軽く触れる程度、太もも・すねは「痛気持ちいい」と感じるところまで指の腹で垂直に押します。爪を立てない、息を止めない、膝をひねりながら押さない——この3つを守ってください。

押す時間帯は入浴後、関節が温まっているときが向きます。膝が熱をもっているとき・発熱時・飲酒後は避けてください。

場面別・5つの経穴と押し方の実数

「今どこにいるか」で使いやすい経穴が変わります。位置はWHO標準経穴部位(2008)に沿っています。

① 立ち上がる瞬間に備えて/内膝眼(ないしつがん・EX-LE4)

位置:膝を軽く曲げると、お皿の下に伸びる硬いすじ(膝蓋靭帯)が浮き出ます。そのすじの内側にできるくぼみです。

やり方:椅子に座って膝を軽く曲げ、人差し指の腹をくぼみに当てて軽い力で触れる程度に押します。関節のすきまなので押し込まないでください。

実数:3秒かけて押す→3秒保つ→3秒かけて離す ×3回1日1〜2回(立ち上がる前・歩き出す前に)。

② 階段を降りる前に/外膝眼=犢鼻(がいしつがん・とくび/ST35)

位置:内膝眼と同じ高さで、膝蓋靭帯の外側にできるくぼみ。内膝眼とちょうど対になる位置です。

やり方:内膝眼と同時に、左右の人差し指でお皿の下のすじを挟むように軽く触れます。

実数:3秒→3秒→3秒 ×3回1日1〜2回(内膝眼とセットで、階段を降りる前に)。

③ 正座から立つ前に/血海(けっかい・SP10)

位置:膝を曲げた状態で、お皿の内側の上端から指幅3本ほど上。太ももの内側にふくらむ筋肉(内側広筋)の上です。

やり方:親指の腹を当て、体重をわずかに預けるように押します。

実数:5秒かけて押す→5秒保つ→5秒かけて戻す ×5回(左右)/1日1〜2回

④ 朝起きてすぐのこわばりに/陰陵泉(いんりょうせん・SP9)

位置:膝のすぐ下、すねの骨(脛骨)の内側の縁を下から指でなぞり上げていくと、骨のカーブに沿って指の動きが止まるくぼみです。

やり方:親指を当て、すねの骨の際に沿って押します。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)/1日1回(起床後)。

⑤ 入浴後・寝る前に/足三里(あしさんり・ST36)

位置:外膝眼(犢鼻)から指幅4本ほど下、すねの骨(脛骨)のすぐ外側、指1本分外にずれた位置です。

やり方:親指を当て垂直に押します。膝を支える脚全体の力を底上げする目的で古くから用いられてきた経穴です。

実数:5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)/1日1回(入浴後)。

一覧表:位置・秒数・回数・頻度

経穴(読み)場面位置押し方の実数1日の頻度
内膝眼(ないしつがん/EX-LE4)立ち上がる瞬間に備えてお皿下のすじ(膝蓋靭帯)の内側のくぼみ3秒押す→3秒保つ→3秒離す ×3回(軽く触れる程度)1〜2回
外膝眼=犢鼻(がいしつがん・とくび/ST35)階段を降りる前にお皿下のすじの外側のくぼみ3秒→3秒→3秒 ×3回(内膝眼とセット)1〜2回
血海(けっかい/SP10)正座から立つ前にお皿の内側上端から指幅3本上5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)1〜2回
陰陵泉(いんりょうせん/SP9)朝起きてすぐのこわばりにすねの骨内側、骨のカーブが止まるくぼみ5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)1回(起床後)
足三里(あしさんり/ST36)入浴後・寝る前に外膝眼から指幅4本下、すねの骨の外側5秒→5秒→5秒 ×5回(左右)1回(入浴後)

押してはいけない場面と中止基準

ツボ押しは低リスクな方法ですが、押さずに休むべき場面があります。次に当てはまるあいだは、特にお皿まわり(内膝眼・外膝眼・血海)を押さないでください。

押してはいけない場面

すぐに中止する基準

中止基準に当てはまった場合、様子をみるのではなく整形外科の受診をご検討ください。

当院で膝の痛みの方に伺って多い場面

当院に膝の内側やお皿まわりの痛みでご来院される方にお話を伺うと、痛みが出るきっかけとして「階段を降りるとき」「椅子や布団から立ち上がる瞬間」「正座から立つとき」を挙げられる方が多くいらっしゃいます。一方で、いったん歩き出して動き続けている途中はさほど気にならないという声もよく聞かれます。共通しているのは、動作そのものより、止まっていた姿勢から動き出す瞬間だという点です。

そのため当院では、痛くなってから押すだけでなく、座り続けたあと・寝ていたあとの「動き出す前」に押しておく使い方をご案内しています。上の一覧表に場面のラベルを付けているのはこのためです。

研究で報告されていること

ここで紹介する研究は、鍼灸師が鍼(はり)を用いて行った臨床試験を対象としたもので、ご自身で指で押す「指圧(ツボ押し)」そのものを対象にした研究ではありません。位置情報の裏づけとしての経穴の考え方や、鍼という近い方法での報告として参考にしてください。

📚 変形性膝関節症への鍼治療、9試験を統合した解析(2007年)

変形性膝関節症を対象にした鍼治療のランダム化比較試験のうち、条件を満たした11試験(統合可能な9試験)を解析した報告です。「待機リスト」(何もせず順番待ちの対照群)と比べた場合は、痛み・機能とも臨床的に意味のある改善がみられました。一方、本物に似せた「偽の鍼」と比べた場合の差は臨床的に意味のある大きさとまでは言えないという結果でした。著者らは、偽鍼のやり方や対象者の違いによるばらつきが大きい点も指摘しています。(Manheimer E, et al. Annals of Internal Medicine. 2007;146(12):868-877. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17577006/

📚 22種類の治療法を比較したネットワークメタ分析(2013年・9,709名)

膝の変形性膝関節症に対する114試験・22種類の治療法・計9,709名のデータをまとめ、複数の治療を横並びで比較した解析です。通常ケアと比べて統計的に有意な痛みの軽減がみられた治療の一つに鍼治療が含まれ、質の高い試験に絞った感度分析では、鍼治療は筋力トレーニングよりも統計的に有意に優れていたと報告されています。著者らは、対象となった試験の多くが盲検化の難しさなどから質にばらつきがある点も明記しています。(Corbett MS, et al. Osteoarthritis and Cartilage. 2013;21(9):1290-1298. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23973143/

※上記は一般的な情報として紹介するもので、当院の施術効果を保証・断定するものではありません。感じ方には個人差があります。

押しても変わらないとき

2〜4週間続けても変化がない場合、原因が筋肉の緊張だけではない可能性があります。膝の内側の軟骨のすり減り、太もも前後の筋力低下、O脚などのアライメントが背景にあることも少なくありません。膝の痛み全体の見分け方は膝の痛みの原因と整骨院での対処法に、場面別のストレッチは膝の痛みストレッチ、走ると膝の外側が痛む方はランナー膝にまとめています。鍼灸での対応にご興味のある方は鍼灸ページもご覧ください。

よくあるご質問

膝のツボは強く押したほうが効きますか?
強いほど良いということはありません。膝のまわりは皮膚のすぐ下に関節や靭帯があるため、指の腹で「痛気持ちいい」と感じる強さまでにとどめてください。特にお皿の両脇(内膝眼・外膝眼)は関節のすきまなので、押し込むというより軽く触れる程度で十分です。強さより、決めた秒数とリズムを続けることを優先してください。
お皿のまわりを押しても痛くなりませんか?
お皿のすぐ際ではなく、お皿の下に伸びる硬いすじ(膝蓋靭帯)の両脇にできるくぼみを狙うため、正しい位置であれば強い痛みは出ません。押してすぐにズキッとした痛みが走る場合は位置がずれているか、その日は関節に炎症が起きている可能性があります。無理に続けず、腫れや熱感があれば控えてください。
正座ができないのですが、それでも押していいですか?
はい、椅子に座ったまま押せる方法をこのページでは案内しています。正座の姿勢は不要です。膝を軽く曲げて座り、お皿まわりの経穴は椅子に腰かけたまま指を当てられます。ただし正座ができない・膝が完全に伸びきらないといった可動域の制限がある場合、原因は筋肉の緊張だけでないこともあるため、一度評価を受けることをおすすめします。
どのくらい続けたら変化を感じますか?
膝の変形性膝関節症を対象にした鍼治療の研究では、通常のケアと比較した短期間の試験で痛みの改善が報告されている一方、偽の鍼(本物に似せた対照)と比較すると差はわずかとする報告もあります。ツボ押し単体で数値化された研究は多くありません。1回で判断せず、2〜4週間ほど続けたうえで様子をみてください(感じ方には個人差があります)。
福岡市城南区で膝のツボ・鍼灸の相談はできますか?
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F)では、柔道整復師(国家資格)の院長と、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が連携して膝の痛みに対応しています。押す位置の確認だけでもご相談ください。西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。駐車場4台。Google★4.9(209件)。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9
※本ページの経穴・鍼灸に関する記述部分は、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。

膝のツボ、押す位置が合っているか確かめませんか

「押してもピンとこない」「どこを押せばいいか分からない」——位置の確認だけでもご相談ください。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

出典・参考文献
  1. Manheimer E, Linde K, Lao L, Bouter LM, Berman BM. "Meta-analysis: acupuncture for osteoarthritis of the knee." Annals of Internal Medicine. 2007;146(12):868-877. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17577006/
  2. Corbett MS, Rice SJ, Madurasinghe V, et al. "Acupuncture and other physical treatments for the relief of pain due to osteoarthritis of the knee: network meta-analysis." Osteoarthritis and Cartilage. 2013;21(9):1290-1298. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23973143/
  3. WHO Regional Office for the Western Pacific. "WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region." 2008. https://iris.who.int/handle/10665/353407

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴・鍼灸の記述:在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

最終更新日:2026年8月13日

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